Creative Arts Showers Gallery

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ピクサーとiTunes

 一つ前の記事にも書いたように、今頃ジョブズ氏の自伝本の一巻を読んでて、昨夜読み終わったんですけど、一巻の最後の方に出てくるピクサーの話は、一番印象に残ったかもしれません。その現実のストーリーの凄さが。  赤字続きでも自己資金を何十億も投資し続けて、ラセター氏のアニメを世に出して凄い成功したという実績なかったら、その後の、iTunes&iPodiPhoneの流れも実際程には無かっただろうなと。  iTunesに、他の会社からコンテンツを配信してもらうための交渉の時に、この実績なかったら、実際程うまくいかなかったかもしれないなと。  ジョブズ氏の自伝本の一巻にも二巻にも、エンジニアとクリエイター、シリコンバレーとハリウッドがお互いに相互無理解、評価してない、みたいな現実あったと書かれてますし、それを彼はピクサーで実感したみたいですね。  いくらジョブズ氏が音楽好きは有名でも、それだけで、各音楽会社がiTunesの配信に賛同したかは結構微妙かもしれないですよね。当時音楽の違法コピーに音楽業界が悩まされたという話は有名ですけど、だからといって、それに便乗したいだけと悪く受け取られてもおかしくないわけで。  二巻に書かれている内容によると、ソニーが一番抵抗したみたいですね。Appleにとっては、販売する音楽の売上のマージンを取れるだけでなく、ipodの売上もMacの売上も上がる話なんだから、音楽会社にもipod売れる度に一定の料金払えと主張してたらしいですけど、実際は、ソニー以外は、Appleの作ったiTunes Storeの出来の良さに好感触でソニーと同調しなかったみたいです。  ジョブズ氏が過去にピクサーでコンテンツにそれだけ私財投じて成功までさせた実績は、音楽会社だけでなく、特に各アーティスト達との交渉の時にも相当に大きかったというのは想像に難くないなと思います。全てのアーティストがコンテンツの価値が分かってるとは思えない単なるコンピュータ会社の社長とスムーズに交渉まとめるとは思えないですし。変なお金儲けに利用されたくないアーティストとかって結構いるでしょうし。そうじゃないと産みだせないものがあるでしょうし。iTunesでのバラ売りの件でもやはり難色示したミュージシャンはいたそうですし。二巻の内容によると、当時のジョブズ氏の情熱は凄くて、彼以外はこんな交渉まとめることは不可能だと思った、という証言も出てきます。  その情熱も、ピクサーの会長としての実績あった分、より真摯に受け止めらたでしょうし、そういう意味でもピクサーでの実話は相当に凄いなと、驚きました。  Apple設立当初のウォズニアック氏にせよ、ラセター氏にせよ、凄い個人との出会いがあって、活躍させる、というとこは、ジョブズ氏の凄い才能かなと思いましたね。実際に、ディズニーはラセター氏をクビにしてたわけですし。  二巻から出てくるジョナサンアイブ氏なんかについても同様で。彼はジョブズ氏復帰前に辞めようと思ってたみたいですし。  自伝本読んでると、ジョブズ氏の負の側面も分かりやすく出てくるんですけど、少なくともこの点については、無難な人、じゃできなかったことかもしれないな、と思いました。